教育学部の5つの特徴

教育学部の5つの特徴five-features

徹底した少人数教育
九州大学教育学部は1学年50人程度の小規模の学部のため、講義1クラスあたりの人数も少なく教員と近い距離で講義を受講することができます。研究室配属に際しても、各研究室は、上限3名ないし4名の少人数教育が受けられ、ほぼマンツーマンに近い形で研究指導が受けられることができます。第3学年の前期に指導教員を選択して、その教員の研究室に所属することになります。そして指導教員の指導のもとでその専門分野の基礎的な学修をしつつ、自分の研究テーマを見つけます。そして卒業論文のための調査や実験を重ねて、卒業論文を書くことになります。
教育課程の国際化
ロックフェラー財団の寄付で設立された九州大学教育学部附属比較教育文化施設(1955-1996)の伝統を元に、九州大学教育学部は、海外の教育事情について多くの優れた研究実績を有し、グローバル人材の育成に取り組んできました。2019年には九州大学教育学部国際コースを開設し、英語で学べる講義演習科目の設置、英語での卒業論文の執筆、中国・台湾・タイ・ベトナムへの海外フィールドワーク(7泊8日)、モンゴルへの海外インターンシップ(2週間)の科目を開講し、海外の教育機関の訪問の機会を設けることで、毎年多くの学生が海外経験を積んでいます。
理論と実践の往還を踏まえた授業科目
九州大学教育学部には、2001年より課題探究系列という科目群(教育学フィールドワークⅠ・Ⅱ、教育学ボランティア演習、教育学インターンシップ演習)が設置されています。様々な機会を通して、教育現場に赴く機会が設けられています。大学で勉強した、教育学・教育心理学の理論を通して自身に構築されたものの見方が実際の教育現場で、どのような形で応用可能なのか、あるいは、現場で見聞きした教育体験が、どのように教育学・教育心理学の理論で説明できるのか、を考える機会があります。また、教育実践学Ⅰ・Ⅱ演習では、福岡県教育センターとの連携協定に基づき、現在の教育現場で重要となっているテーマや課題に沿って、関連した講師をセンターよりオムニバス形式で招き、講義・ディスカッションを行っています。
研究を行うための専門的知識と技術の修得
教育学部では、研究を行う上で必要な知識とスキルを身につけるための科目を幅広く用意しています。
例えば、教育学系では、2年次の必修科目である「文献講読」において、教育学のさまざまな領域や方法についての知識やスキルを学ぶための基礎として、研究文献を読み、それを理解し、課題解明の過程を検証し、批判するという研究文献講読のプロセスを体験し、研究課題を自ら見出し、追究していくことのできる能力を養います。
教育心理学系の2年次の必修科目である「心理学研究法」では、心理学の研究を行うために発達心理学や社会心理学、教育心理学の分野ごとの実験法、フィールドワークなどの観察法、アンケートを行うための調査法などの知識を身につけ、またそれを研究で活かすための実習も行っています。
講義で学んだ知識を応用的に発展させる 演習科目
教育学部の専門科目では、講義科目と同程度の数の演習科目を開講しています。
教育学系では、講義科目で学んだ教育学の理論や重要研究を知識として修得するだけではなく、各々の領域の演習科目において、参与観察、エスノグラフィー、インタビュー、会話分析、統計データ分析などの質的・量的研究の方法、理論研究、資史料やデータの分析や解釈の方法などを、論文講読やフィールドワークなどを通して学んでいきます。
教育心理学系では、講義科目で学んだ心理学の理論や重要研究を知識として獲得するだけでなく、それを実習やロールプレイ、グループワーク、論文講読などを通じて応用的かつ多角的に習得していきます。例えば、3年次の「心理テスト法演習」では、パーソナリティ検査や知能検査、発達検査などを実際に体験しながら学んでいきます。