履修モデル

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履修モデル① 教育学系

岡 幸江先生
野々村 淑子先生
Q.まず「教育学文献講読」とはどのような科目なのですか。

一言で表現すると、各担当教員がテーマを基に取り上げた英語・日本語文献をじっくりと読んでいくことを基本スタイルとしています。文献を「読む」とは、高校の国語のように単に内容を理解するだけでなく、文献が持つ背景・趣旨は何か、妥当性を精査する作業です。また、文脈の意味を知識、時に想像力を用いて検証していく事でもあります。例えば、文献に「解放」という言葉があれば、その意味は文献がアメリカの人の為のものか、もしくは日本人・発展途上国の人のものなのかによって、全く異なる意味・解釈がある事を知る、ということです。

Q.なぜ「教育学文献講読」を学ぶ必要があるのでしょうか?

教育学部では、卒業するために卒業論文を執筆する事が求められています。しかし、まずは文献をしっかりと読むことが出来なければ、書くことはできません。従って、教育学文献講読とは、教育学部で学ぶための「基礎中の基礎」の能力を体得するために必要なものだと思います。

Q.どのようなスタイルの授業になるのでしょうか?

教育学文献講読は「ゼミ」形式をとっており、大体担当教員一人につき10人以下の少人数で行われます。担当教員によりスタイルは様々ですが、例えば一つの論文を2~3人に担当してもらい、解釈や疑問点を書いてきてもらいます。それを基に、批判点を出し合い、議論。ぜひ議論を深め、論点を共有する楽しさや喜びをしてもらいたので、その時の学生の趣向や興味に応じて、担当教員と学生が一緒に授業を作っていく授業です。

Q.高校生へのメッセージをお願いします。

教育学を学ぶことは、当たり前に見ている社会の事象を、教育学という学問のメガネを通じ、新しい視点から見ていくことで、社会を理解し、行動し、生きていく事であると信じています。共にそういう発見の喜びを味わえる仲間を歓迎します。

履修モデル② 教育心理学系

Q.心理学研究法とはどんな授業ですか

心理学の内容を理解したうえで、次はどうやって研究するのかを学ぶ授業です。心理学の学問領域には、知識や理論的側面と、方法論的側面があります。心理学研究法では、この方法論的側面を扱い、実際にどうやってデータをとるのか、また今ある知識がどのような方法で作られてきたのかについて学びます。心理学統計法で理論を、心理学研究法で方法を学び、続いて心理学実験では半年をかけて一つの方法論を用い、実際にデータをとり、分析し、発表します。段階を経て、最終的な卒論作成へ臨むのです。心理学を学習するにあたって、研究法は非常に大切な要素です。実験や研究をしっかり行うことができるように、方法論を学習するこの授業は厳格に行っています。学生にはぜひ真剣に取り組んでもらいたいですね。

Q.授業のスタイルはどういうものですか

水曜に2コマ分の時間を使って行います。1つの方法論を2回の授業で取り扱い、1回目では方法の説明などの講義形式、2回目は実際に学生間でデータを取り合ったりあるデータを基に分析したりなど実践的な授業を行います。その後、レポートを提出したのちに、次の研究法に入ります。それぞれの研究法を得意としている先生方が、その2回の授業を担当するので、先生は研究法ごとに変わっていきます。

Q.心理学研究法に向けて、取り組んでおくべきことはありますか

特にありませんが、その前にあった心理学統計法をしっかり学んできてください。数字ばかりでなぜこのようなものをやらされているのだろうと思うかもしれませんが、その統計学は研究のベースになるものです。研究を行うときは、研究のデザインを考えます。統計学にはそのプロトタイプがあるので、統計学を臨機応変に使えるようになれば、適切なデザインがはっきり見えるようになるのです。

Q.高校生へ何かメッセージをお願いします。

心理学に文学的、もしかすると宗教的なイメージを抱いている人がいるかもしれません。しかし心理学は科学的です。仮説を立て、データをとり、その数値を基に客観的考察を行うのです。入学してから自分のイメージと違うと焦ってしまわないように、心理学がどういうものなのか、事前に調べたり勉強したりしてみてください。

卒業論文の執筆と最終試験

4年の前期と後期においては、卒業の要件である卒業論文を作成します。卒業論文は、4年間にわたる教育学部での勉学の集大成を意味します。作成にあたっては、みなさんが独自の発想や問題意識を大切にし、受け身の姿勢に陥ることなく、積極的かつ主体的に取り組むことを期待します。教育学系では、20分の口述試験、教育心理学系では、ポスター発表を行っています。